cultivationmain 展覧会やアートイベントなども積極的に行っている「美術! 生き残り塾」。メンバーが四〇名を超えた二〇一〇年、「これだけ集まれば、もっと地域の人々と関わったり役に立てることがあるのではないか」と、新たにカルティベーション・パートナーズというプロジェクトを立ち上げた。現在、京都府の「地域力再生プロジェクト」を通じ、和束町で活動を展開している。おいしいお茶の産地として古い歴史をもつ和束は茶畑の景観が美しい町。これまでに、若いアーティストたちが描いた風景スケッチで構成した町のハンドブックと、海外から和束へ移住した人、茶農家へのインタビュー、マンガリポート、お茶をテーマにしたコラムなどを掲載したユニークな冊子を作成。また、小学生を対象に、もの作りワークショップも行っている。
和束町の魅力はお茶や茶畑の風景だけではないというのは、代表の岡山拓さん。「地方というと、観光資源にばかり目を向けてしまいがちだけど、町を訪れるといろんな人たちに出会うし、面白い出来事がたくさんあるのです。和束には、目の前の美しい茶畑の光景に一目惚れして、即移り住んだというドイツ人の男性がいたり、空き家を改装してフラダンス教室やオルガンのコンサートを開いたり、茶摘み体験に来る人たちの休憩所にと個人で場所を提供していらっしゃるご夫婦がいたり。そんな素敵な出会いや発見があるんです。和束で活動していると、ものを作っていくことが面白く感じられます。カルティベート(cultivate) は「たがやす」という意味です。いろいろなつながりを耕しながら、これから活動の可能性が広がっていけばいいなと思います。」

大京都アーカイブ