小松 可奈子

現代美術家

小松 可奈子

現代美術家

1982年 青森県八戸市生まれ
2006年 武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科 卒業
2011年 福島県の小さな田舎町に移住
2015年から制作活動を開始

今までの作品について

何気ない日常生活や異なる環境、状況の中で生じた違和感、気づき、心が震えた瞬間を元に、どこにでもある物、様式などを用いて作品化しています。

今回のリサーチテーマ

「現代日本における地方都市の幸福感/国道沿い文化とその他の地域と関係」

当初は「パフェ」をテーマに予定していましたが、実際に福知山を訪れると今住んでいる土地と似た様な地方都市のムード、生活感、都会とは異なるリアルな今の日本っぽさを感じました。また街の駅前の中心地と国道沿いの温度差、空気の違いのようなものも感じました。

そのきっかけとなったのが福地山を巡るバスツアーでした。元伊勢と呼ばれる旧大江町地区の「元伊勢内宮皇大神社」、「元伊勢外宮豊受大神社」を見学させて頂いたのですが、その荘厳さに驚き、またその静けさに、遠い昔庶民はお伊勢参りなどで賑わいやワクワク、幸福感があったのかなと思いを馳せました。また同時に滞在させて頂いた駅近くの市街地では若い人を見かけることが少なく、どこに人が集まっているのかも不思議でした。

別の日、その答えを国 道沿いで見つけることができました。休日の国道9号線の今年出来た某シアトル系カフェには老若男女長蛇の列があり、人々は笑顔でメニューを眺め、パフェのような飲み物を楽しそうに飲んでいる光景がありました。そこは現代の幸せの場所になっているように思えました。

今回この場所で某カフェと元伊勢をリンクさせて、現代版お伊勢参りを再現したいと思いました。

ちょうど活動報告展の場所が市街地の元飲食店でカウンターがあったので、そこにしめ縄を張り、某カフェのマークをご神体としてドリンクを振る舞い、その代金の代わりに元伊勢遷宮のカンパを募りました。

実際に某カフェに行ったことのない方に現在の幸福のシンボルを疑似体験していただいたり、逆に今まで元伊勢に関心の薄かった方にちょっとでも意識を向いてもらえたらおもしろいなぁと思いました。クロスオーバー的な試みでした。

コミュニケーションについて

福知山の方は優しくて親切な方が多くあたたかな気持ちで2週間過ごすことが出来ました。

自分自身、普段と違って積極的?に開いて行動できたように思えます。一緒にリサーチしたみんなからも刺激もいっぱい頂きました。

ハプニング

今回の展示で使用予定のしめ縄の入手に手間取っていたところ、御霊神社の神主さんにその場でしめ縄を作っていただいたことです。神主さんの優しさが身にしみました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

今後の展開

福知山で得た生の情報や体験を元に作品を制して福知山コレクションとしてまとめてみたいです。またアフター福知山として3年後にまた某カフェなどを調査したいです。
個人的には作品化にこだわらずプロジェクトという視点、形でアートに向き合うのもありだと思いました。

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