京都:Re-Search実行委員会では、交流人口の拡大、地域の活性化へ繋げる取組として、アーティスト・イン・レジデンス事業「京都:Re-Search」「大京都」を実施し、地域が本来持ち得ているポテンシャルやその魅力をアートの視点から引き出すことを試みています。
今年度は、アートと社会(地域)の関係について、「京都:Re-Search」と東日本大震災後、福島県立博物館が中心となって行っているアートプロジェクト「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」の共同開催により、それぞれの活動を通したアートが社会に与える可能性について議論を深めます。
第一部では「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」の活動から、大災害・大事故との向き合い方の視点を含めて共有します。第二部では「京都:Re-Search 2017 in 福知山&京田辺」、「大京都 2017in 舞鶴」の取組報告とともに、国内外のアーティスト・イン・レジデンス(以下、AIR )滞在について経験者たちの声を聞きます。そして、分科会では、アーティストたちが実際に「滞在」し「制作」する部分に焦点をあて、アーティスト、運営組織、地域コミュニティを結ぶ、アートの一つの方法論としてAIRを呈示します。
開催日:平成29年12月10日(日)
時 間:13:00~17:30(開場12:30)
会 場:京都文化博物館 別館
参加費:無料
申 込:京都府府民総合案内・相談センターより ※ページ下部参照
定 員:第一部、第二部200名(先着順)、分科会60名(先着順)
登壇者
岡部昌生 OKABE Masao
美術家
1942年北海道生まれ。都市に内在する不可視の記憶や歴史の痕跡を写し取るため、1977年よりフロッタージュ(擦り出し)という手法を用いて表現を始める。1980年代後半より広島の原爆の痕跡を作品化するプロジェクトを開始し、 2007年のヴェネチア・ビエンナーレにおいて結実化。現在も継続的に広島や福島といった都市に関わり続けている。人々とのコラボレーションやワークショップも積極的に実施するほか、国内外の各都市で制作・展覧会活動を展開している。2012年より、はま・なか・あいづ文化連携プロジェクトに参加。被災地における津波・地震の記憶、大事故がもたらした現状に向き合った活動を展開。
港千尋 MINATO Chihiro
写真家/著述家/NPO法人Art Bridge Institute代表理事
1960年神奈川県生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科教授。記憶、イメージ、群衆などをテーマに、映像人類学をはじめ幅広い活動をつづけている。近著に『芸術回帰論』(平凡社新書、2012年)、『ヴォイドへの旅』(青土社、2012年)、『ひょうたん美術館』(牛若丸、2014年)、『革命のつくりかた』(インスクリプト、2015年)、『言葉の宇宙船 わたしたちの本のつくり方』(芹沢高志との共著、ABI+P3共同出版プロジェクト、2016年)。最近のグループ展に『近未来的交陪』(蕭壠文化パーク 台湾台南市 2017年)など。台北ビエンナーレなど国際展のキュレーションも行い、2007年には第52回ベネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー、あいちトリエンナーレ2016の芸術監督も務めた。
中崎透 NAKAZAKI Tohru
美術家
1976年茨城生まれ。美術家。武蔵野美術大学大学院造形研究科博士後期課程満期単位取得退学。現在、茨城県水戸市を拠点に活動。言葉やイメージといった共通認識の中に生じるズレをテーマに自然体でゆるやかな手法を使って、看板をモチーフとした作品をはじめ、パフォーマンス、映像、インスタレーションなど、形式を特定せず制作を展開している。展覧会多数。2006年末より「Nadegata Instant Party」を結成し、ユニットとしても活動。2007年末より「遊戯室(中崎透+遠藤水城)」を設立し、運営に携わる。2011年よりプロジェクトFUKUSHIMA!に参加、主に美術部門のディレクションを担当。
日比野克彦 HIBINO Katsuhiko
アーティスト
1958年岐阜市生まれ。1984年東京藝術大 学大学院修了。1982年日本グラフィック展大賞受賞。平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)。近年は各地で一般参加者とその地域の特性を生かしたワークショップを多く行ってる。 作品集・著書に『HIBINO』『海の向こうに何がある』『日比野克彦アートプロジェクト「ホーム→アンド←アウェー」方式meets. NODA[But-a-I]記録集』などがある。現在、 東京藝術大学美術学部長、先端芸術表現科教授。岐阜県美術館長、日本サッカー協会社会貢献委員会委員長、東京都芸術文化評議会 専門委員、公益財団法人日本交通文化協会理事を務める。
藤 浩志 FUJI Hiroshi
美術家/秋田公立美術大学教授
1960年鹿児島県生まれ。奄美大島出身の両親の影響で大島紬周辺で遊ぶ。京都市立芸術大学在学中演劇に没頭した後、地域をフィールドとしたプロジェクト型の表現を模索。同大学院修了後パプアニューギニア国立芸術学校に勤務し原初的表現と文化人類学に出会う。バブル崩壊期の再開発業者・都市計画事務所勤務を経て土地と都市を学ぶ。「地域資源・適性技術・協力関係」を活用した美術表現を志向し対話とデモンストレーションを実践。取り壊された家の柱素材の「101匹のヤセ犬の散歩」。一ヶ月分の給料からの「お米のカエル物語」。家庭廃材を利用した「Vinyl PlasticsConnection」「Kaekko」「Polyplanet Company」。架空のキーパーソンをつくる「藤島八十郎」等。NPO法人プラスアーツ副理事長。十和田市現代美術館館長を経て秋田公立美術大学大学院複合芸術研究科・アーツ&ルーツ専攻教授・副学長。
大澤 寅雄 OHSAWA Torao
ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室/文化生態観察
1970年生まれ。(株)ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室主任研究員、NPO法人アートNPOリンク理事、NPO法人STスポット横浜監事、九州大学ソーシャルアートラボ・アドバイザー。慶應義塾大学卒業後、劇場コンサルタントとして公共ホール・劇場の管理運営計画や開館準備業務に携わる。2003年文化庁新進芸術家海外留学制度により、アメリカ・シアトル近郊で劇場運営の研修を行う。帰国後、NPO法人STスポット横浜の理事および事務局長、東京大学文化資源学公開講座「市民社会再生」運営委員を経て現職。共著=『これからのアートマネジメント”ソーシャル・シェア”への道』『文化からの復興 市民と震災といわきアリオスと』。
小田井 真美 ODAI Mami
さっぽろ天神山アートスタジオ AIRディレクター / 文化芸術事業設計
1966年広島市生まれ。オルタナティブスペース運営、国際展での滞在制作コーディネート、NPOでのAIR運営を経て、アートによる地域活性化事業、アーティスト・イン・スクールの企画と事業設計多数。TransArtist(オランダ)で文化政策とAIRネットワ-キングについて研究、アーカスプロジェクト(茨城)ディレクター、コマンドNと共にアーティストの移動のためのポータルサイトMOVE ARTS JAPAN運営、札幌国際芸術(SIAF)2014でチーフ・プロジェクトマネージャーを経て、現在は札幌市のAIR施設さっぽろ天神山アートスタジオAIRディレクター。VISUAL ARTS FOCUS with INSTITUTFRANCAIS(フランス)など国内外AIRのリサーチも行う。
菅野幸子 KANNO Sachiko
AIR Lab アーツ・プランナー/リサーチャー
ブリティッシュ・カウンシル東京、独立行政法人国際交流基金を経て現職。グラスゴー大学美術学部装飾芸術コースディプロマ課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究(文化経営専攻)博士後期課程満期退学。社会における芸術の役割に関心があり、専門領域は、アーティスト・イン・レジデンス、アート・マネジメント、国際文化交流政策、英国の文化政策。昭和音楽大学リサーチ・フェローの他、大学での国際文化交流論講師。秋吉台国際芸術村アーティスト・イン・レジデンス等選考委員、横浜市創造界隈形成推進委員、茨城県文化審議会委員なども務める。「日本のアーティスト・イン・レジデンス 隆盛のなかでの課題」(Artscape 2017年9月15日号)を執筆。
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